ALBUM「Resonant Grace」セルフライナーノーツ&共同プロデュース井上慎二郎氏コメント


ALBUM「Resonant Grace」セルフライナーノーツ


1.「共鳴 -resonant-」
制作期間終盤、アルバムの締めとして書いたつもりがオープニングに。そういうもんですね。「もう私たちは選ばない。戦うことも勝つことも」サビの一行目の歌詞は、LOVE家の最近のモットーです。共鳴、レゾナンスは音楽用語で言うとリバーブと違ってフィードバックの音が減衰しません。永遠に響きあうものです。人の出逢いもしかり、無駄にならないです、それが共鳴ならば。

2.「Go See The World」
歴代最高のトラック数を記録した一曲ですが、素晴らしいミックスに感謝。2007年のドリカムワンダーランドで共にバッキングボーカルを務めた中澤信栄氏、高校の後輩でもあるJONGRIにバッキングボーカルをお願いし、ぶあついコーラスと、一斗缶とアフリカ/アジアの打楽器を集めて作りました。歌詞は、努力してもしてもうまくいかない悔しさを知る福島県相馬市の子どもダンサーに出会って書いたので、翌年一緒に踊れて感慨深かった。がんばれ子ども達。

3.「明日への自由」
久々にぶっちぎりでただただエレキが弾きたくなって書いた曲。左が私で右が慎二郎氏のエレキです。ドラム刄田氏の迷いなきプレイに万歳。また明日、って実はとても尊い響きですよね。

4.「優しさの逆襲」
もう少しして、いろいろ外出が楽になった秋の終わりを目指して初雪のころにかけてください。ハイウェイドライブのイメージは共有できていたのですが、MIX checkの時の要望として「東京脱出したあとの抜けのいいパーキングエリアで、やっと助手席降りてものすごく青空が高かったイメージでお願いします」とお伝えしました。

5.「1000日の夏」
言葉にならない一曲です。全部曲の中に込めています。2020年の夏も、どうぞラジオでかけてください。慎二郎氏の細部まで異常に気配りしていたのにそう聞こえさせないアレンジとミックスの技術に感服しております。オケのラインも素晴らしい。こちらもイメージできる空の高さにこだわった。天国まで届くくらい高い高い青空が見えました。

6.「いつでも僕ら」
バラード、というにはビートもロウものすごくしっかりしています。ボーカルも決して優しくはないけれど。コーラスの「あ、ああ、あああ」はONO YOKOさんのi love you の光の点滅インスタレーションをボーカルでやってみたバージョン。途方もない、ただただラブソングです。

7.「Happy Birthday」
3/14のデビュー日が自分の誕生日でもあるので、出そうかなとちらっと思いましたけどアルバムに収録。誕生日、ごはんを誰かと食べるシーンだけ考えました。ファミレスでもなんでもいい。後半の多重録音コーラスがんばりましたが山下達郎さんのようにはなかなかならないのでコツがあったら聞きたいです。

8.「Blossom」
歌詞はベットミドラーのRose にも近いですが、早くして大人にならざるを得なかったタイプの人っていますよね。人生どのタイミングで花咲くか、苦節があるかわからない。どんな順番でも、いつか素晴らしい庭になりますよう、と。何気なく書いた曲でしたが慎二郎氏が激推ししてくれたのでアルバムに入りました。

9.「Waiting List Of Dreams」
人の夢には名前がついていると思います。たんざくの最後に書く名前のように。友人の病院の待合室から帰ってきて書きました。昔から言ってるんですけど、国は科学や技術や医療にもっともっと予算をかけてほしい。研究者の方々が今日もすばらしい未来を作ろうとしていること、それが私たちの命を守ることにつながっていること、いつだって、あと少し、あと少し。私たちはもっともっと人間を信じて応援すればいいと思う。まさか新型ウイルスがこんな共通言語になるとは思いもしなかった頃に書きましたが、今日もがんばっている研究者の方々や医療関係者の方々にも。どうぞこの曲と一緒に応援して差し上げてください。

10.「LIFE -grace-」
2020年の元日リリースのために、とにかく素晴らしい年になるようにという願うエネルギーを、半年以上貯めて貯めてえいやっと書いたような曲でした。和太鼓とストリングスとギターとドラムだけのデモを作った気がします。2020年、「LIFE楽しみはこれからよ」を合言葉に、いろんな困難に負けずにみんなで繰り返し毎日の日の出を見たい。これまでだって色々あった、そんな私だから、あなただから、国だから、絶対乗り越えられるはず。出会うには今しかなかった、というそんなセレンディピティの歌です。

2020年4月
LOVE

 
 
 
 


共同プロデュース井上慎二郎氏コメント


やたらと威勢の良いおねーちゃんに出会ったのは2006 年頃だったか、そこそこ長い付き合いになる。当時から16歳も年下なのに僕のことを“君づけ“で呼んでくる。何かかっこいい上に歌上手すぎて腹が立つ。ブーツを履くとより身長が高くなりどうも見下されているような気分になる。それでも何度か対バンしたり、大阪ライブの打上げだけに突然顔を出してきたり、不意に誕生日に電話かけてきたり、それほど近くもならないのに遠くもならず絶えない、不思議な「知り合い以上親友未満」な仲だった。つまりあれが戦友か。

一昨年の初夏、東方神起への提供曲制作中にコーラスとして参加してもらい、その日は彼女のダビングだけだったので終了後久々に、いや、初めて“サシ“で飯を食った。流石にラジオ帯番組を持つパーソナリティーでもあり、視聴者のいないその時見事何らかの壁を取っ払い「私が思うLOVEの弱点」を引き出されてしまったのである。その日はあくまで理屈の部分で僕が理解してるノウハウをいくつか一方的に解説、その日から度々楽曲デモが送られてくるようになり、都度「悪くない(笑)」とか「サビないね(爆)」等と返すやりとりが始まった。

責任感も甚だしく強い彼女だから大きな主催イベントを抱えて忙しかったのだろう、しばらく音沙汰がないと思った秋の深夜、また唐突にデモが送られてきた。「thousand summers(仮)」という簡易的なオケと歌だけで作られたそのデモを聴いた時、僕の全身の立毛筋が収縮し、どうしようもなく涙腺から涙液が溢れてしまった。初聴で完成形のオーケストレーションが頭の中で鳴った。直ぐに「ドチャクソええやん!!」と連絡を取り「これはオレにやらせろ!!」と滅多に言わないことを口にした。一体彼女は何処のネジを外してしまったのか…兎に角それが昨年7 月から隔月4作連続リリース第一弾の「1000日の夏」となり、そこから今回のアルバム「Resonant Grace」制作が雪崩れ込むように始まったのである。

それ以降は、勿論最初はお互い探り合いも有ったと思うが、何か理解らないもの(それが“共鳴“なのかもしれない)に突き動かされ制作セッションが始まった。すっかりベテランなお年頃になった僕には思いもよらないようなリズム組みだったり、アレンジ面も一方ならず面白いアイディアを提案してきたので、僕は刺激を受けながら少し整えるだけということもあった。スケジュールがタイトな中でも「書く」と言ったら必ず期限までに「ええやん!」と言わせる、それも彼女の歌声、歌唱力を持ってして存分に発揮出来る楽曲を一々起こしてくるので、終盤戦は彼女の才能に平伏すしか無かった。残念ながら全曲良くなってしまう。何度目かは知らないが、間違いなく脱皮か、いや覚醒したシンガーソングライターLOVE の進化の過程に携われたことは喜びでしかない。ここまで書いておいて何だが、先ず概念無しに聴いていただきたい。溢れ出して来るものが何たるかはきっと感じ取れるはず。必聴。

そして今は親友か、やはり戦友か。

2020年4月某日
井上慎二郎